小学6年生が3ヶ月で開発した
「食べ残しNOゲーム®」
開発ストーリー
未来価値創造大学校のアドベンチャーコースに参加し、社会課題の発見から課題解決案(商品)を提案、実際に提案した商品づくりまでを行います。そこで当時小学6年生だった栗田哲くんは「食べ残しNOゲーム®」というカードゲームを開発しました。アドベンチャーコースを知って頂くために、あきらくんの開発ストーリーを紹介します。
今回のテーマであった「社会問題を解決する商品やサービスを考える」という課題の中で、哲くんはまず「日本をよくしたい!」という大きな目標を掲げました。
しかし、日本の課題はたくさんあることと、目標が大きいため、課題を絞ることから始めました。
哲くんの父親は飲食店を経営されており、哲くんは「お父さんの仕事を継ぎたい」と思っていました。
ですので、課題を絞る時に、まずは父親の会社が経営する飲食店での課題発見をするためにフィールドワークを行いました。そこにはお客の食べ残しがあり、捨てていることに気づきました。
実際の食べ残し量や、どんなものが捨てられているのかをお店の方にも見せてもらいました。すると、多くの食品が廃棄されており、とてももったいないと感じました。
食べ残しについて調査を行ったところ、日本全体・世界でも問題になっていることを発見し、これらの課題が「食品ロス」という事が分かりました。また、世界には飢餓に苦しんでいる方もいることを知り、この課題を自分のテーマに決定しました。
平成26年度の国内での1年間の食品ロスは約620万トンで、世界の飢餓に苦しむ人への国連機関による食料援助量の年間320万トン(同年)を遥かに上回っています。
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「食品ロス」の課題を解決するために、まずはこの課題を楽しんで知ってもらうことが必要だと思ったことと、
自分がゲームが好きなため、ゲームを通して課題解決という案を出しました。
そして実際に自分が経営カードゲームを父親としていた事もあり、カードゲームを制作することにしました。 |
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まずは経営カードゲームを応用してのカードゲームの試作をしてみました。
ひとつ目の試作はご飯を食べた後、自室にこもり一気に作り上げたそうです。
今まではあるゲームをしていたけど、初めて自分でルールを決めたりできるので、わくわくしながら作りました。
自分のノートにルールを書き、画用紙を切ってカードを作りました。
食べ残しの原因は、お客の「食べたい量」とお店側の「提供量」の差だと考え、この2つの量を合わせることで食べ残しが出ないように考えさせる内容を考案しました。また、食べる量は人によって違うことも考慮し、「スポーツマン」や「お年寄り」等様々な「お客さまカード」も作成しました。
「アレルギー」や「好き嫌い」等食べ残しが起きる要因等を気づかせるカードも制作し、ゲームを盛り上げながら、楽しく学べるように工夫をしました。
お客の「食べられる量」と商品の「グラム」、お客の「所持金」と商品の「値段」をそれぞれ同時タスクで計算することで、マルチタスク能力と暗算能力の両方が鍛えられます。また、グループワークでゲームを行うため、コミュニケーション能力も育てることができます。
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試作したカードゲームを自分の兄弟や、学校の生徒に遊んでもらい、改善をくり返していきました。
10回以上の改善を繰り返し、ルールが決まったり、カードの内容が決まった後、商品化できる状態まで高めることができたので、学校の先生やボランティアの大人達の力も借りて商品化の段階までくることができました。
▲ 試作段階のゲームセット
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▲2018.4.11 産經新聞様朝刊に掲載いただきました(画像クリックで拡大)
発売日
『食べ残しNOゲーム
®』 2018年9月1日発売!